魚図鑑

オヤニラミ
画像提供:ダイさん
□説明
日本に古来より分布しているスズキ亜目の中では珍しく、一生を淡水の中で過ごす。近畿以西の本州、四国北部、九州北部に分布している。 大きくても15cmに満たない小魚なので食用とする事はなく、また小型のルアーで釣れるとは言え、一般的には釣りの対象魚とはされていない。 オスは卵を甲斐甲斐しく世話する事で知られており、この時期には同種・他種問わず他の魚を強く攻撃する。この習性がまるで親が回りに睨みをきかせているように見えるので、「親ニラミ」と呼ばれるようになったと言われている。また、一見メバルに似ている事から「カワメバル」、卵に水を送るオスの様子からつけられた「ミズクリセイベイ」という地方名もある。 水草の多い水の綺麗な小川を好むが、そのような環境が減った事と観賞用に乱獲された事により、その個体数は減少している。環境省のレッドリストでは絶滅危惧II類に指定されている。その一方、近年では多摩川など本来分布していなかった地域でも確認されるようになっている。日本の在来種ではあるが安易な放流は慎む事。