魚図鑑

ホンモロコ
□説明
日本産のコイ科魚類の中で最も美味だと言われている魚。本来は琵琶湖にしか分布していなかったが、現在では移植により諏訪湖や山中湖、奥多摩湖などでも見られる。 タモロコとよく似ているが、よりスマートで口先が尖っており、口ヒゲが短い点等で区別できる。だが、湖沼に生息するタモロコにはスマートになってホンモロコに似てくるものもいるので、厳密に見分けるのは難しい。 冬は沖合いの深場にいるが、春になると産卵の為に接岸してくる。これを目当てに釣竿を出す人々の姿は琵琶湖の春の風物詩と言えるものであったが、現在では水質汚染や湖岸の開発による産卵場所の消滅などによって数を減らしている。専門的に狙う場合はウキ釣りやブッコミ釣りで釣る事が多いが、近年ではまとまった数が釣れる事は珍しくなってしまった。 滋賀県では種苗放流を盛んに行い、資源量の増加を図っている。 塩焼きや天ぷら、唐揚げ等で賞味されるが、特に冬の「子持ちモロコ」は珍重されている。京都の料亭では高値で取引されている高級魚である。