魚図鑑
ツバメコノシロ(アゴナシ)
□説明
最大で60cmほどになる魚で、主に砂泥底に生息しており、汽水域に入る事もある。深く切れ込んだ尾ビレがツバメを連想させる事から「ツバメコノシロ」の名がついたが、コノシロとは全く関係ない。かつてはボラに近縁だと考えられていたが、最近ではニベ(イシモチ)科との類縁関係が指摘されている。 最大の特徴は腹ビレの前方にある触角のような5本の軟状で、この軟状はエサを探す際にセンサーのような感覚器の役割を果たしていると考えられている。 また、吻が突き出て一見下顎がないように見える顔も非常に特徴的。その為、「アゴナシ」と呼ぶ地方も多い。あまり見慣れない魚の為、釣れると「変わった魚が釣れた」と言われる事が多いが、関東以西の太平洋岸の砂浜では秋口になると15~30cm級の幼魚が比較的よく釣れる。主に投げ釣りで釣れる事が多いが、ルアーにも時々ヒットする。 食用として流通する事はあまりないが、刺身や塩焼きなどで美味しい。本種の仲間は東南アジアでは重要な食用魚として人気がある。